ゆびぬき。
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ゆびぬき。

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2015/02/26(Thu) 23:33 誰や、おまえ。3山田エズミ  

マリコさん、これでお終いです。

 






2015/02/26(Thu) 23:32 誰や、おまえ。2山田エズミ  

 マリコさん、こんなん出ました。
口紅塗ってる訳じゃないよ。









2015/02/26(Thu) 23:31 誰や、おまえ。山田エズミ  

マリコさんの為に。 









2015/02/26(Thu) 13:06 メール。山田エズミ  

携帯電話を使う事は殆どない。
メールを送る事もあまりない。
何故なら、送る相手が居ないからだ。
連れ合いからは一日一回、帰宅した時にメールが来るが、それの返事も簡単なものだ。
気が向くと、知り合いには葉書を出す。今日、小包が届いた時、切手を買わないかと云われ、郵便局に出向くのが面倒くさいので、シートで買った。十枚。使い切るのに一年掛かるだろう。
パソコンも古くなった。インターネット環境も悪い。Macなので対応しているソフトも少ない。が、Windowsが使えないので、一生Macを使い続けるだろう。
家にはテレビが無いので(モニターはあるが)、画像関係はすべてパソコンで済ませている。最近、写真をあまり撮らなくなったが、その加工もMacでやる。はじめはフォトショップでやっていたが、ノートパソコンに買い替えてからはiPhotoでやって、今はフリーソフトのPicasaで加工している。
此処にも、「阿呆の方舟」(上部バーにあるHOMEをクリックして下さい)にも 、写真を添付する様にしているのだが、ネタが尽きてきた。近所の写真は撮り尽くしたし、写真に対する熱意も薄れてきた。というか、すべてに対して熱意がなくなった。
やれやれ。









2015/02/26(Thu) 10:45 替え歌。山田エズミ  

昔よく替え歌を作ったのだが、これが当時HPをよく見てくれていた子に受けた。
少し紹介する。


「ポン引き」
にいちゃん にいちゃん
こっちへおいでよ
こんな可愛い娘が
たったの一万

あんちゃん あんちゃん
そんなの買わねえよ
だってビョーキがこわいから

Le'ts try!
童謡「ぞうさん」をこんな事にしてしまいました。
なんという、罰当たり者。
子供には教えないで下さい。 



「下を向いて歩こう」
下を向いて 歩こう
お金が 落ちているかも
財布は 素寒貧
なさけない ぼく

下を向いて 歩こう
道端に 花が咲いている
しゃがんで 見てたら
犬が笑っていた

幸せは 地べたの上に
幸せは 道の上に

下を向いて 歩こう
ひとに 笑われないように

うつむいて 歩く
なさけない ぼく

Let's try!
唄うと、何故か気が晴れます。
人の不幸は蜜の味。
だるーく唄っても、ハッピーに唄ってもいい感じです。



「買えない炊飯器」
ごはんが炊けたよ お釜で炊いたよ
炊飯ジャーが壊れたからさ
炊きたてのごはんは 何にも負けない
薪と釜で炊いたのさ

美味しそうなのに腹が減ってねえ
おまえひとりで喰ってくれよ

明日中に炊飯器を 買ってくるから我慢して
今日の味は忘れてくれよ
二度と喰えない

茶碗の飯粒 全部喰って
残りは冷蔵庫へ
壊れていなくてああ良かった
味をそのままに

こんな飯は おかずが旨いよ
酒なんか喰らってる場合じゃないよ
くらくらしそうな炊飯器の値段
盗んで帰えろかな

店から離れてもちらついている
赤い癖に高い値段

炊飯ジャーが買えないなんて
おれはほんとに会社員か
忘れて欲しい 飯の事など
腹を減らすな

Let's try!
サザン・オールスターズの「真夏の果実」で唄って下さい。
ビンボー臭くなる事請け合いです。カラオケでどうぞ。









2015/02/24(Tue) 20:39 更新、その他。山田エズミ  

昨日、風呂屋に行った。
所謂スーパー銭湯と謂う奴だが、ちゃんと温泉である。電車で尾張横須賀まで行った。横須賀と謂っても港町ではない。電車で行ったのは、夕飯時であり、そこに飯を喰うところもあったからだ。
風呂に入る前に、焼酎と寒ブリの和風カルパッチョの様なものを食べたが、蕎麦つゆと葱で和えてあって、甘かった。
腰やら肩やらが痛かったが、エステ風呂なるものに浸かったら緩和された。
風呂を出てから再び食堂へ行って、焼酎と蕎麦セットなるものを喰った。
連れ合いに、酒を頼むとしたらどの順番で頼むかと訊かれ、
「焼酎、ウイスキー、日本酒、ビール」と答えた。
居酒屋にあるものでは? と重ねて訊ねられ、
「緑茶ハイ、ウーロンハイ、日本酒、ハイボール、サワー、ビール」
と答えた。
兎に角、ビールは下位になる。
昔はラッパ飲みでキリンラガーの大壜を飲んでいたのだが、自分で買うものはウオトカだった。

で、更新情報。
一番新しいのは、今日書き上げた「追憶」である(重複する部分が多いので削除した)。
これは、水尾の話で、ついでに他のものもアップした。「柳の下で」は、再録だが、他は今回はじめてアップするものだ。彼の経歴が経歴なので、際どい内容になってしまうがそれは致し方ない。ショーコさんに拘わる話を中心に取り上げた。
家庭内暴力についての話が多くなってしまうが、これはわたしが体験したものを許に書いて居る。わたしが殴る蹴るの暴行を受けたのではないが、姉が父からそういう仕打ちを受けていた。彼女は水尾の様に唯々諾々とそれを受けていた訳ではなく、逃げ廻り、わざわざ窓を開けて「殺されるー」と一丁四方に聴こえる様な声で喚き散らしていた。
HPに書いた人物裏話を此処に引き写しておく。


水尾の事。

 「鈴木亜紀」と書いて、ピンと来る方はあまり居ないだろう。なにしろ、水尾ですら「鈴木? 誰だそりゃ」と云っていたくらいなのだから。

 ――そう、彼女こそ暗闇に閉ざされた水尾の精神を更に泥沼に落とし込んだ人物、「アキ」である。わたしは結構彼女が気に入っている。我が儘で、お姉さんぶった事やままごとめいた事をしたがる……、これはもう女の子の本質なんじゃないだろうか。

 水尾が度肝を抜かれたショーコさんの登場以前に関しての記述が殆どなされていないのは、あほくさかったからである。彼らふたりは文章で触れる事はなかったが、仲が良かった。アキは甘えん坊だったし、水尾は包容力のある人間だったので巧くいっていたのである。誰だって新婚夫婦のような阿呆みたいに仲がいい状況を事細かく知りたくはないだろう。そう謂う事だ。
 アキは年上の男、それも結婚相手としての標的だったのだから二十六、七くらいのサラリーマンばかりを相手にしていた。そこへ、女の扱い方も碌に知らない十五歳の少年に眼をつけてしまった。

 最初は単なる好奇心だけだった。高度成長期のひとびとが「パンダ」ってどんなだ、と思ったくらいの感覚だったのである。手篭め事件の翌日、水尾が「暫く此処に厄介になってもいいか」と訊ねてきた時、彼女は内心驚いた。酔っぱらっていたとはいえ、自分がどんな狼藉を彼に働いたくらいは記憶していた。まさかそんな事を云ってくるとは夢にも思わなかっただろう。アキはその時、この少年の心の疵を(少しだけ)理解したのだ。

 学校が引けて、水尾は家へ荷物を取りに行った。その間に彼女は彼のものが置けるようにクローゼットを整理したり、部屋の片づけをしたりした。同年代(二学年下なのだが)の男の子とつき合うのははじめてだった。当然、酔いに任せていやがる相手をベッドに連れ込み無理矢理勃たせてやったことなどない。水尾が抵抗しながらもその気になってしまったのは、アキの勢いもあっただろうが男の本能と謂うか、若さ故と謂うか、まあ悪くはなかった訳である。

 男が女に強姦されると謂うのは生理的にいっても不可能かも知れない。この場合、アキが男の相手に慣れていたという事にプラス、彼女が美人だったというのもあるだろう。

 デブの醜女だったら無理だったと思う。

 アキは美人である。そして、やりまくって頭がパーになっているどころか、物凄い進学校に通って有名女子大に推薦入学を果たして居るのだからそんじょそこらの女よりも頭がいい。ただ、多くの日本人男性が好む幼児的な容貌ではなかった。つまり、年齢より大人びて見えるのだ。これは、正統派美人の特徴でもある。

 で、水尾はというと、年より上に見られる事は殆どなかった。体型の所為もあるだろうし、際立った印象の顔立ちも決して大人びたものではなかったのだ。

 ふたりで暮らしはじめたはじめの日、彼女は嬉しくて連れ立ってスーパーマーケットへ買い物にゆき、彼が喜んでくれそうなものを買い込んだ。その晩、ベッドに這入った水尾は「やんなくていいの」と彼女に訊ねたが、いいよと答えて寄り添うだけだった。可愛いじゃないですか。中年女が若いツバメを囲った、と謂うのとは勿論違うし、慾求不満の捌け口でもなかったのである。

 友人知人に彼を「見張らせた」のも、一種の独占慾の成せる技だった。常人では考えつかない事なのだが、そういう事しか彼女は出来なかったのだ。その証拠になるかどうかは判らないが、男を送り込んだりはしなかった(まあ、そんな事をされたら流石の水尾も相手を殴り飛ばしておん出ていただろう)。

 水尾の親友である今井は彼女の事を忌み嫌ったが、当人は結構アキの面倒見るのが好きだった様な節がある。ふたつ年下ではあるが、兄のような気持ちだったのかも知れない。エミちゃんに対しても、肉体関係を持つまではそう謂う立ち位置に居るのだと勝手に思い込んでいた。

 何度か触れたが、水尾は精神的不感症「離人症」に近い状態だったのだが、妖怪のような見た目にも拘らず普通に暮らしていた。父親にぼこぼこにされたり、アキに手篭めにされたりしても、それを気に病んだりしないという時点で、既に神経が麻痺していたともいえるのだろうが。

 話したりしてみれば、級友たちも普通の奴だ、と思うようになった。自分の感覚がよく判らないと云っても、それは暴力的な事に関してだけで、文中でも自転車の荷台に乗ったアキが腰に腕を廻してきた感触を「くすぐったい」というくだりがある。まったくの不感症だったら、勃ちもしないだろう。

 中学に進学して同じクラスに今井が居た訳なのだが、体育の時間に必ず遅刻してくる彼に不信を抱いてはいた。誰も居なくなったロッカー・ルームに忘れ物を取りに来た今井は、ひとりで着替えをしている水尾の姿を見て、何故彼がいつも遅れて体育の授業に出てくるのかを知った訳である。中学一年生の水尾はそれ程体格も良くなく(背丈が伸びても痩せていたから死ぬまで体格は良くならなかった)、父親の暴力に甘んじていたのだ。その痣だらけの体を見られた水尾は、「しまった」という顔をしたが、相手が割と親しくなっていた今井だったので、「この事、他の奴等に黙っててくれないか」と云っただけだった。

 その日の放課後、学校の屋上で今井は水尾から家庭の状況の説明をされた。父親が何故執拗に暴行を揮うのか判らないが、痛くないから気にならない、と云う彼に「こんな痣作っといて痛くない訳ねえだろ」と詰め寄っても、痛くないんだからしょうがねえじゃんとと答えるばかりだった。諦め切った薄笑いを浮かべている水尾を思わず抱きしめた今井だったが、彼は脱力したようにされるがままになっていた。誰かから抱きしめられた事など、これ迄一度もなかったので、どう反応していいのか判らなかったのである。

 何も大学に入ってそこの変人野郎が「ホモだち」と指摘しなくても、周囲の人間は彼らを「異様に仲がいい」と思っていた。実際、物凄く仲が良かったのだから仕方がない。アキも、その仲の良さに当てられていた程だった。が、断っておくが、彼らはそう謂った関係ではないし、そう謂う感情もなかった。本当に仲がいいだけの、親友だったのだ。なんとなく、水尾と今井は揃ってゲイだったら、恋人だったら一番しっくり来ると云うか、幸せだったんじゃないかと最近思うようになった。でも、思うようには行かないのが「人生」である。

 そもそも、水尾は頼りない母親をそれでも慕っていて、なのに見棄ててしまったという負い目から女性には優しい。女好きという訳ではないのだが。


映研について。

――陽南総合大学映画研究会。
昔はちゃんと映画のサークルだったが、だんだんマニアックなホラー映画好きの集まりになり、その「映画」の部分がいつしか消え去り、心霊現象、超常現象好きな奴等の集団になった。学内では殆ど「黙殺」、若しくは「無視」されている。
が、阿呆すぎて(頭が悪い訳ではない)オタク臭はあまりしない。
一番まともなのは水尾と同級の井伊垣だが、やはり心霊写真好きで あった。とは云っても、それにケチをつけるのが趣味、と謂うひねくれた奴である。他にも 水木原理主義者や、妖怪研究に精を出すあまり留年する者迄居たりする。
小山は高校の二年先輩だった男に感化されて、骨の髄迄超常現象人 間になってしまった。――で、先輩の入った映研に入り浸り、本当のバカになってしまったと謂う悲劇(喜劇)のひとであった。
活動内容は「くだらない事をくっちゃべること」「飲み会」。
これでよくサークルとして認められているものだ。
基本姿勢として、「怪異を差別しない」と謂うのがある。
――否、そんな小難しい事を考えている訳ではないが、彼らにとっ て面白けりゃ何でもいい訳で、UMAもお化けも妖怪も学校の怪談も柳田國男も折口信夫もアインシュタインもホーキング博士も同列にあるのだ。まじめに民俗学や超心理学などに取り組んでいる人物からすれば、「なめとんのか、ワレ!」と云われそうな不真面目な人間達である。そもそも、『ムー』に読者投稿欄なんてあるのか?
エロ、ゴシップ一色になる前の『GON!』は面白かった。ちょーくだらない事を、さも真面目そうに――そう川口探検隊のパロディ(あの番組自体が阿呆だったというのに……)のような事をやっていて、見事巻頭カラーを飾っていた。あほだ……。
「この探査機はゲームも出来る。UMAの出現を待つ間のいい閑潰しになる便利なツール」
って、それ、ゲームボーイ(黄色)じゃん!

学園祭では、毎年恒例として「妖怪のゲロ」(もんじゃ焼き)の屋台を出す事になっている。へらで掬って喰うような、殆ど無定形のものを強引にプラスチッ クのパックに入れるものだから、まさに「ゲロ」にしか見えない。でも、皆面白がって買ってゆくので採算は合っているようだった(味は悪くない)。
もんじゃ焼きは熱いので、パックを渡す際客に向かって、
「ハンカチ用意しないと火傷するぜ、お嬢さん(お兄さん)」
と必ず云う。
渡す人間が軍手着用の上云っているので、皆慌ててハンカチなりな んなりを取り出して受け取るのであった。気の毒なのはハンカチなど常備していない男性客である。その場合は、服の端を使って何とか熱さを回避している。
徐々に焼けてゆくのをへらで掬い取って食べるのがもんじゃ焼き。 食べた事がないひとに判り易く云うならば、たこ焼きの熱々ドロドロの部分を自分で鉄板に 押しつけて焼いて喰う代物である。こんなもんをパックにぐちゃっと入れたらどんな状態になるかは、さほど想像力を使わなくても見当がつくだろう。「ゲロ」 という名は伊達ではないのである。
水尾がこんな阿呆な事に参加していたかと云うと、していたのである。なにしろ新入部員勧誘の際、「おにーさん、あんた、妖怪が取り憑いていますよ」などと声を掛けていたくらいである。ゲロ擬きのもんじゃ焼きくらい売る。

因に小山はひょろっとした銀縁眼鏡の、一見秀才君のような容姿をしている。南こうせつみたいな感じ? 違うか。

彼らは、一応ホラー映画は観るが、それは「笑う」為に観る、という、徹底的に世間をおちょくった姿勢で生きている人々であった。


ホラー映画のお勧めとしては、
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」
「キャリー」
「シャイニング」
「ブレアウィッチ・プロジェクト」
「ブレアウィッチ・プロジェクト2」
「ニア・ダーク」
「女ヴァンパイア カーミラ」
「吸血鬼ドラキュラ」
「悪魔のいけにえ」
「地獄のモーテル」
「ゾンビ・ドッグ」
「ショーン・オブ・ザ・デッド」
かな?


3つのバンドの音楽性の違い

#ナナシ
特にモデルはない。曲調は緩く怠く暗いが、静かという訳ではない。むしろギターが煩いくらいだったりする。
容姿としては、亮二が一番背が高く(178、5センチ)、かなり痩せており、江木澤が178センチ弱でごく普通の体型(わたしの普通と謂うのは一般的にかなり 痩せ形らしいのだが)、牧田は172センチでやはりごく普通の体格だが、顔は一番良い。
亮二の声は低めで若干掠れている。だれが一番近いかなあ……。「ダイナソー.Jr」のボーカルのひとの声が近いかも知んない。あれは掠れてないか。ギターもあの程度には煩い。ニック・ケイヴみたいに低くはない。あれは男前過ぎ。
原形を留めない程にアレンジしたカバーが得意であり、評判になってもいる。外国語の場合は全部日本語に直して(敢えて訳してとは書かない)演っている。 というのは、亮二が外来語を極端に嫌うからである。

#glass tube
水保がモヨリに云った通り、「はっぴいえんど」「サニーデイ・サービス」に近い。ライブに来ていたおばさんは「童謡が原点」と迄云ってた。
ギターはアコースティックかセミアコを使用。ドラムレス、キーボード、ベース、ギターの3ピースという、へんなバンド。
ナナシでも書いたので容姿を紹介すると、水保は167センチくらいで華奢。ドーテイで入籍してしまったおとなしくて優しい樹久尾君は174〜5センチでごく普通、まともに取り上げられない長海君も同じくらい(紹介くらいちゃんとしてやれよ)。
水保が英語が得意なので、亮二のような意訳に近いカバー(もしくは替え歌)はしない。彼の声は皆が少年のようだ、と云っているが、モデルはやはり居ない。近いのは「キセル」のひとかな。「b-flower」迄はいかない。亮二が「男カヒミ・カリィ」と云っているが、別にウィスパー・ボイスで唄っている訳ではない。単に声量がないのだ。


#the cage
基本的にロック。それも「ブランキー・ジェット・シティ」や「ジーザス&メリー・チェイン」などの、あまり起伏がないメロディー・ラインのタイプ。演奏は皆そこそこ出来る(玲二は意識していないが、実は物凄い腕をしている)ので、結構本格的にやっている。車折は、もう「ストーン・ローゼス」のドラムのひとみたいに叩きまくる。鬱憤が溜まっているのだろうか。演奏だけの部分が割と多い。だから一曲一曲が長い。上のふたつのバンドのようにはカバーはやらない。
まあ、容姿は本文に書いたから判ると思うが、玲二は170センチそこそこで、異常に痩せているのに異常に美しい(なんか、きもい奴だな)。棠野と車折は175〜6センチで殆ど同じ体格。ただ、車折は恐いです、外見が。刺青とかしてないのに……。
玲二の声は、その外見通り低くはないが、水保のように少年のような声でもない。が、あまり大声は出せない。もー、棠野に唄ってもらえよ、馬鹿。


(番外)
たぶん、誰も覚えていないだろうけど、一応。

#キミドリ
清世ちゃんの幼馴染みがやっていたバンド。
アングラ系? ボーカルの「猫化け」によるパフォーマンス朗読がメインで、後ろは勝手に演奏していると謂う訳の判らないひと達。亮二によると「バックの演奏はまとも」らしい。
四人編成。ギター、ベース、ドラムが男で、「猫化け」のみ女。本名は成田英里と至ってまとも。そして、すげえ美人で色っぽい。でも、誰も近寄らない。判る様な気はするが……。清世ちゃんを亮二に引き合わせ、その一年後にシベリア放浪の旅へ。


わたしは絵も描くので、人物を考える時は容姿などはかなり細かく設定する。実際、絵に描いて服装まで考え色までつける。そうして、人物のテーマカラーを考えると、人格も具体的に想像ができる。色と謂うのは結構重要なのだ。









2015/02/23(Mon) 14:23 更新。山田エズミ  

阿呆の方舟を更新した。
やはり、古いものばかりだ。新しいものを書き出しても、停滞してしまって進まない。以前書いたものの加筆修正は簡単だし、閑潰しにもなる。修正はやり出すときりがない。
アップしたのは結構たくさんあるが、再録以外だと、「花のような君のために」「部屋の中」「沼」(だったと思う)。
「花のような君のために」と、「部屋の中」は、以前開設していたHPに載せたものである。と謂うことは、2008年くらいに書いたものとなる。「沼」は2012年の夏に書いた。自分の体験を許に書いたものである。「部屋の中」は、使い廻している人物の脇に居る人間の話。ひとりの人物を考えると、当然その周辺の物事も考えなければならない。そうして物語はどんどん広がってゆき、切り捨てた枝葉についてもしつこく温存してゆくと、もうひとつの話が出来上がる。
後は、HP時代に書いたモヨリと水保英太の周辺の話をアップした。これは、修正したものである。
ひとりの人物を設定して、物語の中に放り込むと、それが勝手に行動し出す。面白いものだ。自分が体験しなかった事でもやってくれる。幼い頃から想像力が豊かで、気がつくとノートにあれこれ書き留めていた。
わたしが経験した事は、一般的に考えてもかなり限られている。学校は義務教育しか受けていないし、勉強も碌にしなかった。そこでわたしは常に異端者であり、世間で云う「苛め」を受けていた。それは社会人になっても同じだった。大人になってからも他人を明白地に排斥するのは何うかと思ったが、まあ、わたしの性格が悪かったのだろう。
他人の輪の中に入れる様になった理由は判らない。わたし自身は何も変わらなかったのに、受け入れられる様になった。受け入れられる様になったのは、服装の事がきっかけだった様に思う。愛知県は犬山にあるイトーヨーカドーの地元商工会のテナントのジーパン屋で働いていた時の事である。
最初は、店の者らとしか話す事はなく、他のテナントの店員からは無視されていた。ヨーカドーの店員も使用する社員食堂で昼休みの時間に雑誌を読み乍ら一服していたら、隣の服飾店に勤務する女の子が「あ、それ買ったんだ。見せて」と云ってきた。それから、他の子たちとも話す様になった。二階にあったレコード店の女の子とも親しくなり、社販で購入させてくれさえした。
どうやら彼女たちは、わたしの事を服飾系専門学校の生徒だと思っていたらしいのである。当時わたしは二十八歳であった。服装も、そう謂った学校に通っている子たちの様に先鋭的なものは着ていなかった。ベルギー軍の外套を着ていたからかも知れない。これは、もの凄く重くて肩が凝る為、後にフリーマーケットで売っぱらった。
苛めなど、どんなきっかけでなくなるものか知れたものではない。相手をよく理解せずに行われるものだから、やる側が飽きてしまえばそれでお終いになる。わたしの場合は、飽きられたのではなく、向こうが此方に興味を持ち出して無視されなくなった。
現在は、他人と拘わる事は殆どない。
気楽なものである。








2015/02/20(Fri) 23:39 看病。山田エズミ  

 二匹飼って居る猫の片割れが、緑内障の手術をして、片目を失った。その、術後の様子を見る為に、家へ戻った。
眼球を摘出された右目は、六針ざくざくと縫われていた。随分荒っぽい縫い方に思われたが、動物の治療と謂うものはこんなものなのかも知れない。避妊手術の時には、レーザーか何かで縫合されていたが、今回はそうではなかった。疵口を掻いたりしない様にエリザベスカラーが巻きつけられており、その感覚になれない所為か、壁や框にこつこつと当てていた。
健康な方の猫は、片目を失い奇妙なものを馘に巻きつけている姉妹に違和感を覚えるのか、距離を持って接し、時々唸り声を発していた。
動物は何も云わない。彼女の緑内障は、もう、二年も前から発症していた。掛かりつけの獣医は、特に手術を勧めなかった。調べたところ、緑内障と謂うのは治らない病気で、いずれは失明する。病状が悪化すると、頭痛に悩まされ、吐き気もすると書かれていた。一年半ほどで完全に失明した。瞳孔が開ききって、目がひとまわりくらい大きくなった。
医師に相談して、連れ合いが眼下専門医に診せたところ、手術をした方がいいと云われた。が、その医者は家から遠く、専門医だからなのか、治療代が呆れるほど高かった。動物には保険が利かないので、そういった出費は覚悟の上だが、法外な値段だった。
近くの獣医で目の手術も出来る処を探し、連れて行った。
手術、入院の諸費用をあわせて十三万ほど。専門医で検査をしただけで八万以上掛かったのに比べれば安いと云えるだろう。
三泊の入院中、ごはんを一切口にせず、戻ってきた時には骨が浮いていた。
処方された化膿止めの薬が強かったのか、二、三日は下痢をしたり吐いたりした。冬場は布団の中にもぐり込んで眠るのだが、エリザベスカラーが邪魔をして布団の下に這入る事が出来ない。段ボール箱に設えた寝床でひとりうとうととしている。その姿が痛々しい。
昨日、抜糸をしてもらったが、二本残されカラーはその侭だった。さぞかし鬱陶しいと思われるのだが、勝手に取る訳にもいかない。人間の様に加減が出来ないから、治りかけで痒い疵を掻き毟ってしまうかも知れない。
残された二本の糸と、エリザベスカラーは、来週の火曜日に取れる。









2015/02/12(Thu) 22:20 簡素化が進む。山田エズミ  

 大量の衣類を処分して、残ったのは無地のシャツとジャケット、コート、ジーパン、ワークパンツくらいになった。
もともと派手な服は着なかったが、恐ろしいくらい地味な服ばかりになった。コートは二十年くらい前に買ったウールのもの。濃灰色とキャメル。あと、二年前にセールで買ったトレンチ・コート。シャツは無印から名も知らぬイタリアのメーカーの(これは高かった)もので、Tシャツも無地のものばかりだ。色は白、グレー、紺。地味。ワークパンツ、チノパンは、国防色とごく普通のキャメル。
で、あまりにもごっそり服がなくなってしまったので、本日、空港へ出向いた。何故空港へ行ったのかといえば、此処には服屋が数件あるからだ。シャツの専門店、鎌倉シャツもある。この店のシャツは、質がいい割りに値段が手頃で可い。高級ブランドのシャツなど、雑誌で見ると十万以上したりして、思わずいちじゅうひゃくせんまん、と数字を勘定してしまう。その点、鎌倉シャツの商品は五千円から九千円と良心的である。
ユニクロのシャツも着る。斯う謂った低価格のものは惜しげもなく着られるのが好い。真冬でもコットンのものを着る。下に長袖Tシャツを着て、カーディガンを羽織れば充分温かい。
食べるものも、脂っこいものや肉気のものは殆ど口にしない。野菜か豆腐。最近は柔らかい口触りの豆腐をレンジで温めて食している。豆板醤などで味つけすると体が温まる。連れ合いは肥満を気にしているが、肉類と穀類を食べなければ自然と痩せてゆくと思うのだが、一向に痩せる気配はない。体質なのだろうか。









2015/02/10(Tue) 22:02 なんだか判らないが。山田エズミ  

「阿呆の方舟」の方でアップされない為、此方に。

 

これも十年くらい前に書いたものだ。



年頃の男の子

 

 

 

 


「なあ、花子ちゃんって井崎とつき合ってんの?」

「つきあうー? ぼくらまだ中学生だよ」

「今時ナニ云ってんだよ。二組の大島、援交で引っぱられたじゃん」

「そんなのと一緒するなよ」

「でもさー、一年ん時に同じクラスだっただけでなんで三年になってもつるんでんのさ」

「近所だからだよ」

「おまえ、ほんと井崎の事嫌いなのな」

「別に嫌ってないよ」

「花子ちゃん取られると思ってんだろー、ガキくせえ」

「そんな事、思ってないったら」

「そういやさあ、おまえらの名づけ親ってのが一緒に住んでるってほんと?」

「誰がそんな事云ったんだよ」

「えーと、川崎」

「カワサキ……? ああ、井崎の唯一の友達」

「なんか大学生くらいの男なんだって?」

「うん、まあ……」

「ってことは、ガキんちょの時におまえらの名前つけたの? 道理で昔話に出てくるみたいな名前」

「うるさいなあ、ミナオにーちゃんはシンプルなのが好きなんだよ」

「ミナオお? それ名前?」

「……苗字だけど」

「どんな字書くの」

「水に尾っぽの尾」

「フツー、それミズオって読まねえか」

「なんだっていいじゃん」

「でさ、でさ、そのひとすんげえ不気味なんだって?」

「そんな事ないよ。言葉遣いは乱暴だけど、すごく優しいし真面目なひとだよ」

「外見の話してんだよ。おまえと歩いてるとこ水橋も見たって云ってたぜ。髪の毛がぞろーって顔に掛かってて猫背の男」

「芽衣子が?」

「あー、名前呼び捨て。やっぱ、おまえらつき合ってるんだ」

「やっぱってなんだよ」

「おまえ以外みんな知ってるぜえ、太郎と水橋はつき合ってるって」

「馬鹿馬鹿しくて相手にしてらんないよ」

「照れるなよ。でも、水橋が云ってたってのはほんとーだぜ。そこにおれ居たんだもん」

「彼女が喋ってるとこに?」

「そーそー」

「で、髪の毛で顔が隠れてる男のひととぼくが一緒に居たって云ったの」

「そう云ってんじゃん。怖くて声掛けらんなかったんだってさ」

「そんな……、見間違いじゃないの」

「どうやって見間違えるんだよ、そんな変な奴。幽霊でも見たってのか」

「ゆ……、そんなの居る訳ないじゃん」

「なに急に大声出すんだよ。おまえの名づけ親のにーちゃんなんだろ、そいつ」

「まあ、そうだけど……」

「学生なの」

「妖怪……、妖怪の研究してるんだよ」

「なにそれ。そんなん研究してる奴なんか聞いた事ない」

「む、昔はたくさん居たんだよ。そういう文献も残ってるし、ネットで検索すれば幾らでも出てくるよ」

「へえ、そうなんだ。で、そのミナオにーちゃんはそれで稼いでるの」

「そうだよ。ミナオにーちゃんの先祖には水木しげるっていう妖怪研究の大家が居るんだから」

「……その名前、どっかで聞いた事あるなあ」

「有名だから」

「あー、おまえが学者みたいな事云うからすぐ出てこなかったじゃんか。水木しげるっていったら『ゲゲゲの鬼太郎』描いた漫画家じゃん。ナニが妖怪研究だよ」

「本業は妖怪研究家なんだよ、漫画はお金稼ぐ為に描いてただけで」

「はあ、漫画描いた方が金が儲かるのか」

「俗っぽい事の方が儲かるに決まってるじゃん」

「なーるほど。さすが妖怪研究家が身近に居るだけあるなあ」

「木蔦、おまえ家に勉強しにきたんだろ、なんでそんなくだらない事ばっか云ってるんだよ」

「太郎、勉強捗ってる? お茶持ってきたよ」

「わー!」

「なに?」

「ミナ……、おか、お母さん」

「なにそんな驚いてるのよー。木蔦君吃驚しちゃってるじゃない」

「ぼ、ぼく、ちょっ、ちょっと便所に行ってくる」


 …………。


「ミナオにーちゃん」

「なんだよ、友達来てんのにそんな大声でおれの事呼ぶなよ」

「それどころじゃないよ。井崎以外のひとがミナオにーちゃんの事見たらしいんだよ」

「んな馬鹿な。そうそうあんな霊感少年が居るもんかよ」

「男じゃなくて女の子だよ」

「霊感少女か……」

「納得しないでよー」

「いや、おれはあいつのおかげでもう驚く種が尽きた」

「見えるなら皆に見えるようにしてよ」

「んなこたあ、おれには出来ねえなあ」

「じゃあ、ミナオにーちゃんが見えるひとの共通点教えてよ」

「共通点なあ……。井崎のガキが現れる迄はおれに深く関わりがあるってのが唯一の共通点だったけどな」

「深く、関わり?」

「おまえらの両親だろ、エミの両親だろ、後は隣に住んでたクル」

「……井崎は」

「うーん、最も考えたくない事だったが、恐らくあいつは花子と将来結婚するか、一緒になんかするか、とにかく花子に深く関わる存在になるんだろうな」

「井崎が花子とー!」

「でけえんだよ、声が。おまえおかしいぞ、先刻から」

「じゃ、じゃあ、ミナオにーちゃんが見えちゃった女の子は……」

「おまえの嫁さんにでもなるのかなあ」

「嘘でしょ」

「なんだよ、その娘はそんなに厭がる程不細工なのか」

「美人だよ」

「ならいいじゃん」

「よくないよ、なんでこの若さで将来の事が判っちゃうんだよ」

「太郎、なに騒いでるの。部屋に丸聞こえじゃない」

「ぼくの声だけ?」

「お母さんにはケンジ君の声が聞こえるけど、木蔦君には聞こえないでしょ」

「もう駄目だ……」

「どうしたの、ケンジ君」

「未来の花嫁が判っちまって、困惑してんだよ」

「どういうこと?」

「後で説明してやるよ。太郎、頭抱えてないで部屋に戻れ。このままだとおまえ学校でガイキチ扱いされるぞ」


 …………。


「なんだったんだよ、ひとりでわーわー騒いでさあ」

「でんわ、電話してたんだよ。向こうが聞き取り難いっていうから大きい声で話したんだよ」

「便所行ったんじゃなかったのかよ」

「ぎゃー!」

「いきなり何だよ、太郎」「叫ぶなよ、馬鹿」

「ななななんでもない。勉強しよう」

「霊感少女の情報寄越したの、こいつか。なんて名前だったっけ、ケヅメ……」

「木蔦だよ」

「大声で云わなくても自分の苗字ぐらい忘れねえよ」「あー、成績がケツから数えた方が早いって奴か」

「そんな事云ってないよ」

「おまえ、先刻からなんなんだよ。おかしいぜ」「花子が云ってたんだよ、太郎の親友はあほだって」

「花子の奴……」

「大丈夫か、太郎。おれ帰ろうか」

「なんでもないよ、続きやろ」

「続きって、妖怪研究家の話の事か」「帰せよ。落ち着いてから電話で謝っとけ」

「一緒に喋んないでよー」

「なに云ってんだよ」「いちいち口に出すな。馬鹿か、おまえは」

「もう厭だよー」

「待ってろよ、太郎。おばさん呼んで来るから」

「うーん。エミがおばさんって呼ばれるのにはいつまで経っても慣れんなあ」

「なに呑気な事云ってるんだよ。ミナオにーちゃんのおかげでぼくの人生滅茶苦茶だよ」

「毛も生え揃ってねえ癖に人生とかぬかすな」

「どっか行ってよ、ミナオにーちゃんの姿なんか見たくない」

「ひっでー事云うようになったもんだなあ。よちよち歩きん時はおれがちょっと居なくなっただけで幼児性ノイローゼになりかかった癖に」

「訳判んない事云ってないで今すぐ消えてよ、お坊さんと神主さんと陰陽師と神父さん呼んでお祓いして貰う」

「云ったな。口に出した事は取り消せねえって何度も教えたよな」

「そんな事、ちっちゃい頃から叩き込まれてるよ」

「そうか、判った。望み通り消えてやろうじゃないの」

「太郎、おばさん居ないんだよ。買い物でも行ったのかなあ。例の名づけ親のにーちゃんは何処にいんだよ」

「今、追い払ったよ」

「……なんで泣いてんだよ。大丈夫か、ほんとに」

「追い払っちゃったよ、どうしよう」

「泣くなよー、おまえ、剣道部の主将だろ。後輩が見たら笑われるぞ」

「追い払っちゃったんだよ、もう戻ってこないよ。絶対、疵ついたよ。酷い事云っちゃったよ……、取り返しつかない事しちゃったよ」

「そんなわんわん泣くなよー。どうしようかな……、花子ちゃんに電話しようかな」

「ただいまー。太郎、お母さんは?」

「あー、花子ちゃん、よかったあ」

「木蔦君、来てたんだ……、って太郎、なに泣いてんの」

「もう、先刻から様子がおかしいと思ってたら、誰かを追い払ったのなんのって云いだしてこの通りだよ」

「追い出したって、太郎、まさかお母さん追い出したの」

「違うよ。ミナオにーちゃんに……、ミナオにーちゃんに消えろって云っちゃったんだよ」

「なんでそんな事云ったの、あんだけ可愛がって貰っといて。恩知らず。馬鹿」

「花子ちゃん、泣いてる奴相手にそんなキツイ事……」

「木蔦君には関係ないでしょ。太郎、ミナオにーちゃんがやった事は取り返せないって何度もなんどもあたし達に教えたのに、泣いてまで後悔するような事なんで云ったのよ」

「花子、なに大声張り上げてるの。外にまで聞こえてるじゃない。信也君が吃驚してるわよ」

「井崎……」「ミナオにーちゃん」

「え?」「花子ちゃん、どうしたの?」「まだ泣いてやがる、馬鹿が」

「帰ってきたの」「あ、信也君……」「え、ミナオにーちゃんって名づけ親の妖怪研究家?」

「もう、一斉に喋らないで」

「おまえが馬鹿だから息子も馬鹿になっちまったんだよ」

「誰が馬鹿なのよ」

「おかあさん、ミナオにーちゃんと話しちゃ……」「おばさん、誰と話してるんですか」「おまえに決まってるだろ」

「あー、もう。ちょっと黙って」

「そんな事云ってもひとり聞こえない人間が居ますよ」

「井崎、なに云うんだよ」「信也君、それ云っちゃ……」「ひとり聞こえないってなんの事」「ばれてたのか……」

「一斉に喋らないでったら」

「なにをわあわあ騒ぎ立ててんだ。表まで丸聞こえだぞ」

「お父さん」

「あー、やっとまともな奴が帰ってきた。おまえ、土曜日なのに何処行ってたんだよ」

「勤め人は色々あるんだよ」

「そりゃ大変なこったな。こっちも見ての通り大変な騒ぎだよ」

「なにがあったんだよ……。どうした、太郎。真っ赤な目してるじゃないか」

「てめえのガキはおれ様に向かって消えてくれとぬかしたんだよ」

「本当か、太郎」

「……はい」

「おまえ、ミナオだから許されるようなものの、そんな事生きてる人間に云ったらどうなるか判ってるのか」

「生きてるって? なんの事? ちょっと、おれ先刻から皆の云ってる事がまったく飲み込めねえんだけど」

「木蔦君、此処に何人のひとが居る?」

「何人って……、ろ、六人」

「本当は七人」

「は?」

「見えないけど、ミナオさんってひとがぼくの隣に立ってる」

「立ってるって……。お、おまえの隣には……、少し離れてるけどおじさんが居る……」

「その離れてる処に、ミナオさんが立ってるって云ってるんだよ」

「い、井崎、おまえ、マジいかれてる……」

「よー、霊感少年。マジいかれてるとさ」

「あああああああああ、井崎の髪の毛、髪の毛、かみ……」

「ありゃま、気絶しちゃったよ。エミのおっかさんみてえなガキだな」

「そういや、そんな事もあったなあ」

「そんな事より、霊感少年。おまえ、いつから気づいてた」

「井崎信也です。だいぶ前からうすうす判ってましたよ」

「可愛くねえガキだなあ、っとに……。で、どうするんだよ、この気絶してんのは」

「夢だと思わせればいいんじゃないんですか」

「人間の記憶がそうそう安直に変えられるか。生意気云っても子供だねえ」

「だって此処に居合わせたのは七人ですが、正確な事が判っていないのはたったのひとりなんですよ。口裏を合わせれば何とかなる筈です」

「云い切ってくれるねえ、カッコいいじゃない井崎信也君」

「フルネームで呼ばなくてもいいです。木蔦君の家は此処からそんなに遠くない、だから意識を取り戻す前に彼の部屋に運び込むんです。荷物と太郎君も一緒に」

「なんでぼく迄」

「木蔦君の記憶をすり替える為だよ。彼は今日、太郎君の部屋ではなく自分の部屋で勉強をしていた事にするんだ」

「うまくいくかな……」

「考えてる閑なんかないよ。おじさん、木蔦君を車に運んで下さい。太郎君は彼の持ってきたものと自分の勉強道具持って」


 …………。


「ナニ、あれ。探偵小説マニア?」

「頭いいって云ってるじゃん、いっつも」

「あー、あー、おまえの惚気話は聞き飽きた。耳に胼胝どころか疣まで出来そうだよ」

「なによー、ミナオにーちゃん太郎に酷い事云われたからってあたしに八つ当たりしないでよ」

「ああ、太郎で思い出した。あいつの周辺で美人の娘って思い当たるか」

「芽衣子ちゃんかなあ……」

「メイコ……。苗字は中村か梶。出来れば梶がいい」

「はずれ、水橋でしたー」

「どんな感じの美人よ」

「ちょっと大人っぽくて、長い髪で……」

「おお、梶芽衣子に近いじゃねえの。おれの好みが太郎に遺伝したか」

「なに馬鹿云ってるの。太郎にはケンジ君の血は一滴も入ってません」

「じゃあ、あれだ。今井と『野良猫ロック』観てた時に太郎がこっそり扉の向こうから覗いてたんだな」

「子供が産まれてからもそんな如何わしい映画観てたの」

「知りもしねえでポルノ映画扱いすんな、和田アキ子にシメられるぞ。その前に梶芽衣子に謝れ」

「ミナオにーちゃん、梶芽衣子って誰」

「うーん、にーちゃんの好み直球ど真ん中の女優さん」

「芽衣子ちゃん、お母さんに全然似てないよ」

「メイコって名前で……、字は?」

「草冠のめにころもに子供のこ」

「そのまんま。それでこんなロリータ面してたら断固改名を求めるね」

「なにそれ、あたしの顔の何処が悪いの」

「悪かねえけど、おれの好みとは真逆だな」

「ひどーい、お母さんとつき合ってた癖に」

「そうよ、ケンジ君。酷い」

「酷いと云われても好みは変えられない」

「なにまた揉めてんだよ」

「おお、天才明智小五郎先生の作戦はどうなったよ」

「とりあえず井崎君の云う通りにしたよ。幸い家には誰も居なかったし、あの子の部屋に寝かせてきた」

「名探偵はどうしたんだよ」

「家で落としてきたよ」

「側溝にでも落としてくりゃよかったのに」

「もー、ミナオにーちゃん先刻から酷過ぎ」

「なに、酷いって」

「いや、おれが梶芽衣子が好みのタイプだっつったら、ふたりして文句つけてくんだよ」

「ああ、梶芽衣子かあ、懐かしい名前だなあ。おまえ、図書センターもない時代によくあんな古い映画見つけ出したなあ」

「たまたま『キル・ビル』の解説読んでたら『修羅雪姫』の事が書いてあって、そっからリンクしてたんだよ。で、観てみたら梶芽衣子がそりゃー、まあ別嬪さんで迷う事なくダウンロードした訳よ。そっから芋蔓式に『女囚さそり』シリーズまで行ってねえ。でも一週間後に検索したら梶芽衣子のかの時もなくなってたなあ」

「ぎりぎりだったんだ」

「そう、まさに運命の女」

「ああ、あの女もあの手のタイプ……」

「おーっとカズミちゃん、その先を云ってはならない」

「云ってはならないって? あの女って誰の事?」

「そこから先はシークレット・ゾーン」

「で、なんでまたそんな大昔の女優の話になったんだよ」

「聞いて驚け、太郎の思いびとは梶芽衣子だ」

「水橋だってば」

「名前が一緒なのか顔が似てるのかどっちだよ」

「名前が一緒で、顔が似てるんだとよ」

「中学生でどんな好みしてんだよ」

「おれの影響受けたのかな」

「おまえ、まさか太郎の前で『女囚さそり』観てたんじゃ……」

「勝手に映画観たり出来る訳ねえじゃん」

「そういやそうだな……」

「やだねー、男のひとって。花子、こんなのほかっといてご飯の支度しよ」

「こんなのだって。おまえ、嫁にどんな教育してんだよ」

「おれがつき合い出した時には既にあんな感じだったよ。どっちかって云うとおまえの躾が悪い」

「いや、悪いのはあのジジイだ。考えれば考える程エミはあのおっさんの悪い処ばかりを受け継いでる」

「おまえ、本当に祖父さんの事嫌うな」

「あの親父には、幽霊になった晩に拷問されたからな」

「拷問? そんな事する訳ないだろ、医者なんだから」

「おまえは甘いな。まだあのくそジジイの本性が見抜けんとは」

「生きてる時はあんなに物事に無関心だったのに、死んだら随分執念深くなったなあ」

「宇宙が尽き果てるまであの晩の事は忘れねえよ」

「ただいまー」

「どうだった、あの子は」

「すごいよ、井崎の思惑通り事が運んだ。あいつ天才だよ、尊敬する」

「はあ、末恐ろしいガキだな。伊達に腐れもんの写真取ってねえな」

「どんな感心の仕方だよ」

「太郎、にーちゃんになんか云う事ないか」

「……ごめんなさい、二度と云いません」

「土下座しろとまでは云ってねえぞ」

「武士だったら切腹するところだけど、ぼくにはこれくらいしか出来ません」

「ミナオ、おまえどんな育て方したんだよ……」

「うーん、別に時代劇を観せまくった訳じゃねえけどなあ」

「許してくれる?」

「そこまでされたら許さねえ訳にはいかんなあ。ただし、条件がひとつある」

「なに」

「図書センターで『野良猫ロック』シリーズ全部借りて来い」

 










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